2012年5月31日木曜日
テニス「WOWOW TENNIS ONLINE」|WOWOWオンライン
ビーナス・ウイリアムズが今週更新されたランキングで7年ぶりに2位に浮上した。昨年10月から1位を維持する妹セレナの順位は変わらず、ウィリアムズ姉妹がトップ2を独占。同じことは過去通算45週(うち41週はセリーナが1位)あったが、最後は03年5月で早7年が経っている。
マーティンルーサーキング牧師は、何市で暗殺された?
ビーナスが2位復帰を決めたマドリッドの3回戦、セレナのほうはナディア・ペトロワに敗退したが、「(姉妹のワンツー独占は)本当に素敵なこと。もちろん今日はお祝いするわ」と喜んだ。しかし姉は手放しで喜んでいるわけではない。「私とセレナが世界の1位と2位になることは、小さい頃から私たちがずっと夢見てきたこと。だけどどちらも自分が2位になることは夢見ていないわ!」と姉妹間のライバル関係をアピールし、女王奪還の意欲をのぞかせた。
おもしろいのは、一方がスランプになるともう一方も引きずられるように落ちていき、今回のように一方がトップになるとしばらくしてもう一方が追い付くという奇妙な� �互作用である。お互いの競争心の強さと無関係ではないのだろう。
ファーガスフォールズの画像
これまでにふたりで19ものグランドスラム・タイトルを獲得している世界最強の姉妹アスリート。獲得賞金も女子テニス史上最高額のセレナにビーナスが続く。圧倒的なパワーと運動能力を持ち込み、女子テニスに革命を起こした姉妹だが、そのプレースタイルにはケガがつきまとい、短命を予感させたものだ。実際06年はこの姉妹が嘘のようにオーラを失ってしまった年であり、ビーナスはグランドスラムで一度も3回戦を突破できず、セレナは膝のケガで年間に4大会しか出場しなかった。ひとつの時代の終わりを静かに告げていた彼女たちに、こうしてまたトップ2を独占する日が来ると予想するのは難しかったはずだ。
カンバーランドフォールズ州立リゾートパークの位置
けれど、01年から02年にかけての無敵の"全盛期"と今とでは少し様子が異なる。今は絶対に倒せない相手ではないという意識が他の選手たちの間に浸透しているし、実際にマドリッドの決勝でも24位のアラバヌ・レザイがビーナスを破った。あいかわらずケガの多いセレナも復帰後まだ安定しない。ウイリアムズ姉妹のトップ2独占は、今の女子テニスの混沌を示すひとつの現象ではないだろうか。
"エナン後"に女王を経験した多くの選手 ――― アナ・イバノビッチ、マリア・シャラポワ、エレナ・ヤンコビッチ、ディナラ・サフィナらが女王らしい女王になりきれず、肝心のところで負けたり、またどうにもケガが多くて勢いを失うといった脆さがある…(皆東欧系というのは偶然だろうか)。トップは隙だらけだ。キム・クライシュテルスが昨年復帰後いきなり全米オープンで優勝したのも同じ背景といえるかもしれない。
ビーナスは6月にもう30歳になるというし、恐らく姉妹のワンツー独占はそう長続きしないと思われるのだが、クライシュテルスやジュスティーヌ・エナンも復活した今、この元女王たちのインパクトに勝る若手がいそうでいないのはちょっとつまらない。
0 件のコメント:
コメントを投稿